【書評】日本はインドには絶対に敵わない気がする・・・『インドの衝撃』





佐々木俊尚さんの『電子書籍の衝撃』
電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

にも強い衝撃を受けたが、

この『インドの衝撃』にもものすごく強い衝撃を受けた。

インドの衝撃 (文春文庫)
NHKスペシャル取材班
文藝春秋
売り上げランキング: 33994

NHK取材班がインドという国の「教育」「経済力」「政治」に関して

取材しまくったノンフィクション。

 

正直個人的にはインドという国に対して特に思い入れがあるわけでもなく、

強い興味があるわけでもなかった。

たまたま本屋さんで手に取った1冊に過ぎない。

 

でも、この本に出会い、読破した時、なんというか恐怖に近い感情を覚えた。

日本(人)はインド(人)にはあらゆる面で敵わないんじゃないだろうか?

少なくとも、「教育」「経済力」「政治」では全く歯が立たないと思う。

 

簡単に感想を。

①教育

数年前にインド数学って流行りましたよね。

暗算のテクニック的なモノだった気がする。

インド人は9×9どころか、99×99まで暗算できるとかなんとか。

でも、インドの頭脳はそんな単純な話ではなかった。

 

そもそも、勉強の仕方、熱意、モチベーションが日本の子供とは根本的に異なる。

  • 勉強は生きるために必要なモノであり、決して点数を取るためのものではない。
  • 学校だけではなく、生活の中にも勉強(特に算数)が文化として根付いている。
  • 愛国心といか、インド人であることへのプライドが高く、勉強して国に貢献することが何よりのモチベーションになっている。
  • 何のために勉強をするのか、という目的が明確。

その勉強に対する熱意や、勉強することの意味は

是非に本書を読んでもらいたいが、日本の勉強とはそもそも次元が違いすぎて比較すら難しい。

インドといえばIT大国みたいな漠然としたイメージがあるが、

なるべくしてなったんだなという納得感が味わえる。

②経済

BRICsとう言葉が台頭してきたのはいつ頃だっただろうか。

良く覚えてないし、ブラジル・ロシア・中国の実態は知らないが、

少なくともこの本を読んでインド経済のポテンシャルはすごくよくわかった。

単に国土が広いとか、人口が多いとかそんな話ではなく、

無限の消費ポテンシャルがこの国にはある。

もちろん、ポテンシャルがあるだけではなく、

その頭脳を持ってポテンシャルを押し上げている経営者やブレーンがいることも大きく影響しているし、その経済を支えている政治・外向の力も強い。

日本企業が奮闘している姿も描かれているが、

このポテンシャルに対抗するには、1企業の頑張りだけでは絶対に足りない。

国がリードしてトップリレイションを築き、日印関係を強固なものにしなければ

日本経済は圧倒的に衰退するだろう。

それだけのパワーがインドにはある。

 

③政治

インドを大国たらしめたのは、その教育や経済だけではなく、

地球全体を巻き込んだ外交政策にも起因している。

インドの優秀な頭脳とプライド、時には歴史的な劣等感をもって

大いなる自信を持って外交に挑むその姿勢は

発展途上国のそれではない。完全に地球の大国である。

最大大国であるアメリカを譲歩させ、

インドがインドであるということを世の中に知らしめた条約の一部始終や、

その背景にあった外相の誇りや劣等感、そして自信と実力。

歴史の教科書には載らない実態が様々な角度からの取材によって連鎖的に語られる。

インドや政治、外交に興味がなくても、その背景やストーリーに没頭してしまう。

 

この本は実に多角的にインドという国の現実を教えてくれる。

単に「すごいぞ!」というだけではなく、

時折描写される、二極化した経済状況の実態にも驚かされる。

 

これだけ経済大国としての地位を築いてきているにも関わらず、

主要都市から一歩離れればそこには全く違う国ような貧困の実態もある。

高級マンションとスラムの間には高く大きな壁が設けられているという現実がある。

インドという国の経済的なポテンシャルの源はこの二極化しているリアルの側にあるんだろう。

 

本屋さんでなぜこの本を手に取ったのかは覚えていない。

でも、自分の意識の中で、インドという国の存在が今まで以上に巨大になったのは事実。

久しぶりに出会えてよかった と思える本に出会えた。

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