【2017年4月8日更新】
こんにちは。たろすけです。仕事柄、BtoBマーケティングやコンテンツマーケティングの知見がたまってきたので、ちょっと整理がてらいくつかポイントをまとめてみました。
大きくは3点。
1. BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの決定的な違い
2. BtoB企業がコンテンツマーケティング(狭義ではオウンドメディアを持つこと)の特大メリット
3. BtoB企業がSEOを考える時に注意すべきこと
この3点に関して書いていきます。
BtoBとBtoC コンテンツマーケティング戦略の違いは?
コンテンツマーケティングの戦略や手法に関しては、単純にググっていただければ、いくらでも情報を得ることができるでしょう。でも、僕は個人的にちょっとそれらの情報には辟易しています。だって、
- 〇ヶ月でPVを△倍にした××の方法
- ビッグワードで検索順位を1位にする方法とは?
- 潜在層を集客するための〇〇の方法
みたいなコンテンツはいくらであるのですが、僕は腹落ちしないんです。
だって、それらのコンテンツ中で書かれている事例って、大体がtoCの内容だから。
この記事を読んでいる方もきっと、BtoBの事例を知りたいんだと思うんですが、グルメ、ファッション、美容関連の事例で語られても自分事化しないですよね?
じゃあ、BtoBとBtoCでは何が違くて、どこに注意すればいいのでしょうか?ポイントは3点。
ポイント1:ブログを読んでCV(コンバージョン)することは想定しない
あなたが例えば、、、業務改善用のソフトウェアを導入することを検討している場合、とある企業のブログを読んでいきなり問合せすることってありますか?
まぁ、よほど思い入れのある企業や、ニーズにドンピシャのサービスだとわかっている場合は別にして、いきなりCVはめったにないでしょう。
BtoBの場合とBtoCの場合では、購入までの検討プロセスが全く違います。
いきなりポチることができるtoCと、様々な検討プロセスを経て導入が決まるtoBでは同じ戦略を取ってしまってはいけないんですね。
ポイント2:コンバージョン(CV)は必ずしも「購入」ではない
BtoCの場合、CVといえば、多くの場合が「購入」とか「申し込み」とか、直接売上になることが多いですよね。でも。BtoBの場合のCVは、必ずしも購入ではないんです。
では、BtoBコンテンツマーケティングのCVとはどんなものでしょうか?僕は個人的には以下の3点になると思っています。
- メルマガ登録
- ホワイトペーパー(E-book)ダウンロード
- 問合せ(資料請求)
なぜか?
ポイント1でも書きましたが、BtoCのコンテンツマーケティングは、アフィリエイトブログなんかがわかりやすと思いますが、個人がブログを読んで、そのブログを読んだ結果として態度変容が起こり、そのままCV(ポチッと)が起こり得ます。
でも、BtoBの場合は、担当者がBtoBブログを読んで、そのままBtoB製品を購入するなんてことはあり得ないんです。他社とのアイミツをとったり、上司を説明するためのシミュレーションをしたり、資料を作成したり、関係部署を巻き込んでミーティングをしたりと、検討から購入までにはたくさんの時間と作業が伴います。
なので、ブログコンテンツ(特に潜在層を集客するためのコンテンツ)に「お問い合わせはこちら」というCTA(コール・トゥ・アクション)を設置しても、そんなにCVすることはないんですね。まぁ、何が起こるかわからないのでCTAを置いておくことはいいと思いますが…。
なので、BtoBの場合は、【ここ、超重要】
これから営業さんが商談するにあたり必要な情報を得ること がCVになり得ます。
例えば、メアド、企業名、部署名、役職、氏名、電話番号、企業所在地 あたりが必要になりますね。
ポイント3:MAなくしてBtoBマーケティングはあり得ない
言い切ってしまいましたが、これはもう事実だと思います。MA(マーケティングオートメーション)を持っていないのであれば、即導入してください。
どんなMAがいいかは本稿の趣旨ではないので触れませんが、参考までに
マーケティングオートメーションの比較・おすすめ一覧 | 法人向けクラウドサービス口コミ・比較サイト − ボクシル でいろいろ比較してみてください。
なぜMAが必要なのか?それは、BtoBマーケティングにおいて、特に新規顧客の獲得に着目するとなると、リードナーチャリングがマストだからです。
BtoBのコンテンツマーケティングにおいては【ここも超超重要!】
- オウンドメディアを使って潜在層の集客
- オウンドメディアのCTAを使ってリードジェネレーション
- メルマガやインサイドセールスでのリードジェネレーション
が鉄板法則です!
潜在層の集客、リードジェネレーションはなんとなくイメージできると思うんですが、リードナーチャリングって実際はよくわからないですよね?
リードナーチャリングは、2つの意味合いで考えてください。
① リードの育成
② リードの選別
toCの場合のリードジェネレーションって、やりようによってはコンテンツ間の回遊を促すことでできてしまう(つまり、コンテンツを数回読んでもらうことで態度変容を促し、CVさせる)ことが多いんですが、
BtoBの場合は、マーケティング部が営業部にリード情報を渡すことが重要になります。
で、どんなリードを営業部隊に渡すか?というと、【はい、ここも重要】
商談効率が良いリード(つまり成約確度の高いリード)を渡すべきなんですね。
その効率のいいリードに育てることや、効率のいいリードを選別するためにはMAツールが必要なんです。
そして、ここでいうMAの必須要件はこの3点。
- 顧客DB機能
- メルマガ配信機能
- リードに優先順位付けをする機能(スコアリングとか)
これがあれば、獲得したリード情報を効率的にナーチャリングして営業部隊に引き渡すことが可能になります。
BtoB企業がコンテンツマーケティングをやるメリットは?
もうここまででだいぶ語ってしまいましたが、BtoC以上にBtoBマーケティングでは、コンテンツマーケティングという手法を検討すべきだと考えています。
BtoBのコンテンツマーケティングはマイナー?
コンテンツマーケティングという言葉自体はここ数年でだいぶ盛り上がってきてはいますが、それでも主役はBtoCマーケティングの一手法と思われがち。
BtoBマーケティングのメジャー施策といえば、展示会、リスティング広告、FAX-DM、アウトバウンドコール あたりになるのでしょうか?
でも、だからこそ、コンテンツマーケティングを“今”始めるべきだと考えています。そんなに難しく考えなくてもいいです。まずは、自社サイトの中にコンテンツ(ブログ)を掲載するだけでもいいので、今すぐ始めてください。
アメリカでは90%近いBtoB企業がコンテンツマーケティングを実践しています。日本でも数年以内に同じ状況になるでしょう。業界のソートリーダーシップをとるなら早く始めるのが最短ルートです。
マーケティング全般に必要な“視点”が身につく
コンテンツマーケティングを成功させるために一番重要な視点ってなんだと思います?
まぁ、いろいろあるとは思いますが、僕は“顧客目線”だと考えています。
・・・ん?普通? でも、これとっても大事なんです。なぜなら、
コンテンツマーケティングは従来の広告とは違って、企業側が言いたいことをコンテンツ化しても全く意味がないんですね。
コンテンツマーケティングの入り口は、潜在層の集客です。この潜在層ってのは、あなたの会社のことも、あなたの会社のサービス名も知りません。完全に無関心なんです。
この完全に無関心な人たちはどうやってあなたの会社のことを知るのかを考えてみてください。
あなたの会社名やサービス名で直接ググることもなければ、ブックマークしているわけがありません。
大事なのは、【ここ、一番重要!】
あなたの会社やサービスが提供できる機能を、ターゲットが知りたいことに置き換えてコンテンツを創り、ターゲットが享受できるベネフィットをイメージしてもらうこと
なんです。
・・・わかります?
で、このために必要なのが、“顧客目線”なんです。(潜在)顧客がどんな悩みを持っていて、どんなことを知りたがっていて、どんな状態になればベストなのか?ということをずーっと考え続ける必要があるんです。
そして、この考え方って、コンテンツマーケティングだけではなく、すべてのマーケティング活動、企業活動に必要なことだと思いませんか?
このとっても大事な“顧客目線”の考え方を半ば強制的に意識するようになることが、コンテンツマーケティングに取り組むメリットといえます。
マーケティング施策の打ち手の種類が少ないといわれているBtoBマーケティングにおいて、今この“顧客目線”を掴む訓練をしておくことが、数年先にBtoBマーケターにどれだけの差別化ポイントになるか、想像できますか?
BtoBコンテンツのSEO対策とは?
コンテンツマーケティングを進めるにおいて、SEOを無視することはできません。
※コンテンツマーケティング=SEOという風潮には懐疑的なスタンスではあります。
SEOに関しても、ググればいくらでもコツとか自慢話とかが出てきますが、BtoBのSEOに関してはなかなかいい感じのコンテンツが無いように思えます。
なので、僕が知っているBtoBのWebマーケティングでSEOをやるときの疑問に答えておきますね。
ちなみに、BtoBに限らず、BtoCにおいても絶対に効果が出るSEOの法則はこちらの記事に書いています。「面のSEO」を是非、実践してみてくださいな。
疑問①:検索ボリュームはどれくらいがいいの?
上記の通り、BtoCのSEOに関しては、「検索ボリュームは3000以上を狙うべきだ」とか、「多すぎても少なすぎてもよくない」とかいろいろな意見がありますが、BtoBに関して言えば、検索ボリュームは全く意識しなくていいです!
と言ってしまうと言い過ぎかもしれませんが、もうボリュームなんて考えずにコンテンツを制作して問題ありません。
ただし、キーワードプランナーを使わなくてもいいかといわれると、そんなことはありません。
キーワードプランナーで何をみるか?それは、「検索ボリュームが0なのか、0じゃないのか」だけでいいです。
そもそもBtoCビジネスとBtoBビジネスでは、ターゲットの総数が全く違います。ターゲット(生活者)の総数がおおいBtoCにおいては、検索ボリュームの多さは、=検索ニーズの総量 と言い換えることができますが、BtoBにおいてはターゲット人数がそもそも少ないので、検索ボリュームの数字にとらわれてしまうと、KW選定をすることができなくなってしまいます。
また、BtoBコンテンツで検索ボリュームが数千とか数万あるようなKWは、どちらかというと非ターゲットが生活者として個人的興味の範疇で検索している数字と捉えたほうが自然なのではないでしょうか。
疑問②:どうやってキーワード選定をする?
SEOを考える上ではキーワード選定は重要ですね。でも、BtoBの場合、従来のBtoC向けSEOとはちょっと考え方を変える必要がありそうです。
BtoCの場合は、記事ごとにKWを考え、キーワードプランナーで検索ボリュームを調べ、共起語をあぶり出し、競合サイトを調査し、、、というのが定石です。
BtoBのコンテンツマーケの場合は、ちょっとフローが異なります。以下にやるべきことを列挙します。
①(コンテンツではなく)メディアのターゲットペルソナを決める
②あなたが担当しているサービスの機能をリスト化する
③その機能がかなえられることを列挙する(例えば、機能が「顧客管理」であれば、かなえられることは「営業の効率化」とか)
④ターゲットペルソナが得られるベネフィットに置き換える(上記の例でいえば、「仕事が早く終わる」とか)
⑤上記の③④で出てきた単語を組み合わせて、「ターゲットが抱えているであろう課題を特定する」ことでキーワードを決定する
です。
いかがですか?toCのキーワード選定と比べて、やることが全く違いますね。上にも書きましたが、
検索ボリュームは意識しない、
(先行者が少ないので)競合サイトを見る必要性が低い、
あたりが特徴的な部分でしょうか。
まぁ、最近のGoogleのSERP(検索結果ページ)を見る感じ、KW自体が重要というよりは、よく言われていることですが、「検索意図」の方がよっぽど重要ですね。
なので、③から④への置き換えが必要だといえます。もしかしたら、このやり方はBtoBとかBtoCとか関係なく使えるやり方かもしれません。
いかがでしたでしょうか?僕自身、様々なBtoB企業のコンテンツマーケティングをご支援している中で、自分で導き出した成功法則です。ここでは書ききれていないことも多々ありますが、それはまた追ってこのブログに書いていきたいと思います。
まとめ:
- BtoB企業は、世の中にあるBtoCコンテンツマーケティングのやり方を参照してはいけない
- BtoBのコンテンツマーケティングはセールスプロセスまで意識して組み立てる
- CVは問合せだけではなく、中間CV(メルマガ登録とか資料DLとか)でリードジェネレーションを意識
- ナーチャリングは超重要
- とにかく顧客目線を身につける
- SEOはKWよりも検索意図を見極める
こんな感じでしょうか。
ほぼ経験則の考え方ではありますが、コンテンツマーケティングに取り組んでいるBtoBマーケターさんにちょっとでも参考になれば幸いです。
“BtoB企業がコンテンツマーケティングを実践するときの成功法則3点” への1件の返信