僕の家庭にはもうすぐ二人目の子供が生まれる。
明日か、一週間後かはわからないけど、いずれにしてももうすぐだ。
そんなタイミングでこのTED Talksに出会った。
もし、自分の子供が生まれながらにして障害を持っていたら、あなたならどうしますか?
このTED Talksに出てくるご両親は、こんな疑問を投げかけてくるが、
彼らが出した答えは、とても前向きで心温まるものでした。
そして、その答えは、子育てに限らず、人生全般においても役に立つ回答かもしれない。
ロベルト・ダンジェロ+ フランチェスカ・フェデリ: 我が子の病気から学んだ人生の教訓
彼ら夫妻の息子さんのマリオ君は生まれながらにして脳の右側に大きな損傷がありました。
体の左半身がうまく動かないという可能性が大きかった。
親としては当然、この事実を大きな問題として捉え、生活を変えなくてはならないかもしれない。
なぜ、自分たちの子供がこんな目に・・・
この子の将来にはどんな影響が・・・?
この状況は良くなるのか…?
そんな疑問を持ちながら、彼らはマリオ君のリハビリのためにさまざまな方法を試します。
そして同時に、この状況を彼らは”失敗”と受け止めるようになりました。
彼らはリハビリの一環として、ミラーニューロンという方法を取り入れます。
これは、他人がある行動をしているとき、それを見ている自分の脳(ニューロン)は
その他人のニューロンの動きと同じ働きをしている。という理屈に成り立つリハビリ方法です。
ミラーニューロンに関しては、こちらが詳しそうです。
このリハビリを続けているうちに、彼ら夫婦はあることに気づきます。
息子が見ているのは、親の動きなのではなく、親そのものを見ているんだ。
これは大きな気づきですね。
これに気づいたとき、夫婦は考え方が大きく変わります。
そう、親が彼を”失敗”と思って落ち込んでしまっていたり、前向きになれない状況ではまずいのです。
マリオ君は親を見て、その親と同じ働きがマリオ君のニューロンに起こっているから。
親は子の鏡になっている。
彼らは、自分たちが息子に受け継がせたい自分たちの強みを再認識し、
自分たちが好きなモノや景色をたくさん見せてあげることにしました。
親がその場を楽しむ。そうすることで、親を見ている息子も前向きになれるということです。
この考えで生活を続けることで、マリオ君は元気に、そして、左半身も不自由なく生活できるようになりました。
(このプレゼンの最後に元気なマリオ君駆け足でパパに駆け寄るシーンがあります。号泣注意です。)
冒頭の、もし、自分の子供が生まれながらにして障害を持っていたら、あなたならどうしますか?という質問に対して、彼ら夫婦が出した答えは、
自らが授かったものを見つめ直すこと。
授からなかったものばかりに目を向けるのではなく、授からなかったことをチャンスと捉えること。
ということでした。
いかがでしょうか?
これって、どんな場面にも当てはまる、最高の回答じゃないでしょうか?
自分が持っているモノや資質を客観的に見直してみること。
そして、ないものねだりをするのではなく、今おかれている状況を受け入れ、その中で最大限ポジティブに考え、行動する事。と解釈できます。
人間ですから。良い事もあれば、悪いこともあります。
悪いことが起こった時に、その状況をどうとらえるかによって、
解決方法も変わってくるし、困難な問題にも立ち向かえるようになる。
そして、最終的にはその困難をしっかりと乗り切れるという
実例を示してくれる、本当に心の温まる素敵なプレゼンでした。